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【感想】映画「星の子」を観て〜信じるって怖いこと?宗教二世を描く作品

おこもりな日常
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アマプラで映画「星の子」を視聴しました。
真実とスピリチュアルの境目がわからなくなる。そんな映画でした。
映画「星の子」は小説を原作とした映画で、主演は芦田愛菜。両親が新興宗教に入信している宗教二世の中学生が主人公で、中学校や家庭を舞台に物語は進みます。
本記事は映画を観ながら考えたことをつらつらと書く感想になります。
ちなみに、映画を観たきっかけは主人公の母親役で原田知世さんが出ていたからです!(笑)
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あらすじ

幼い頃、体が弱かった主人公のちひろ。両親はちひろを救うために「体に良い水」を購入し、その力によってちひろを病から守ることができたと信じ込んでしまいます。その水を販売しているのは怪しい新興宗教でした。
それから数年が経ち、ちひろが小学生の頃に姉は帰ってこなくなります。家庭は貧しくなり、それでも生活を続けていく一家。
中3になったちひろは教師の南に片思いをするも、ある日両親が宗教の儀式のような行いをしているところを目撃されてしまいます。

感想(以下、ネタバレあり)

宗教の入り口はどこにでもある

一応最初に書いておきますが、私は特別信仰している宗教は特にありません。仏教の墓に入る予定はあるしピンチのときによくわからない概念上の神様に祈るぐらいで、何か熱心に信じているものはありません。
ただ、世界三大宗教以外のものには懐疑的です。
宗教ってよく「人の弱みにつけ込む」と言うけれど、子供を病から守るなんてことがあったら確かに信じてしまいそうで怖いですよね。本当にうまく入り込んでくるんだなあと思います。
この数ヶ月新興宗教は、地下鉄サリン事件の一件以来、一番注目が高まっていますよね。むろん、安倍晋三元首相の暗殺事件からです。
Twitterを見ていてもよく宗教勧誘の話が出てきました。ベビーカーを押していたら幼児教育の会に誘われてそれが勧誘だった……とか、大学生が新興宗教を論破しに行ったら帰ってこなくなってしまった……とか。
そういえば私も大学時代に新興宗教勧誘者がよく学校の近くをうろついていたなあ、と思い出しました。
人が困っていたり大変だったりするときに、その人を救おうとしてするりと音もなく滑り込んでくるのが宗教なのだなあ、と思います。まあ、宗教会員の人は善意で勧誘しているわけですが。

怪しい宗教に入信するのは「騙される」こと?

ただ、宗教が完全悪と言いがたいのは、別に誰も悪意があって勧誘しているわけではないというところ。
信者の人はその宗教によって救われていて、その良さを他の人にも伝えようとするわけですが、それって別に「騙そう」みたいな悪意があるわけじゃないんですよね。
これが厄介だなあ、と思いました。
映画の中でも、ちひろの母親が兄に「水」を薦めるシーンがありました。病気に効くから、と言って。この兄(ちひろにとっては叔父)は宗教を怪しいものとして見ていて、乗ってはこないのですが。
その兄は後日、ちひろの両親を信仰(洗脳ともいえる)から目覚めさせようとして「水」を全て公園の水道水と入れ替えてしまいます。
そして、ちひろたち家族から「もう来るな」と叫ばれる展開に……
ちひろの叔父は、ちひろの両親が騙されているから目を覚ませと言いたかったのでしょう。
でも、ちひろの両親は別に騙されているかと聞かれたら、それもちょっと違う気がするんですよね。
本人たちは本当に信じきって、「水」の力にあやかっているわけです。
ちひろの両親は劇中でも「風邪をひかない」と言われていましたが、それはただ単純にプラシーボ効果とかで健康でいられている感じがしました。
「信じる者は救われる」って便利な言葉ですね。本当にそうなのだから困ったものだ。

信じるってなんだろう

人が信じているものを馬鹿にしてはいけない、とは思いつつ、やはり信仰によって生活が破綻していく様子を見るのは親族だったらやっぱりきついですよね。
私はちひろの叔父の目線で見ていました。
ちひろは高校生になったら叔父の家に来ないかと誘われますが、はっきりとその場で断ります。いくら親が怪しい宗教に心酔していても、親は親。断らない気持ちも、人の娘としてわかってしまったなあ。
この映画は特段これといって新興宗教の怖さを描いているというわけではないのですが、信仰によって「ちょっと違う家庭」で育つことになった主人公の、ちょっと違う世界を見せつけられているような気がしました。
何かを信じることで、見える世界が変わるわけです。でも、それはスポーツマンが「自分はできる」と自分を鼓舞するのと同じこととも言える。
新興宗教って何がいけないんだろうなあ、私は一体何に嫌悪感を抱いているんだろう、と考えさせられました。
なので、自分なりに新興宗教の何がいけないかを考えてみました。

新興宗教の怖さは、信者とそうでない者の分断

ちひろの学校の友達は、ちひろが宗教二世であることを理解してなお友達でいてくれましたが、普通なかなかそうはいきませんよね。
ちひろの叔父と信者であるちひろの母はどうやら距離を置いているようでした。
映画の最後のシーンでは宗教の集会(泊りがけのイベント)に行く様子が描かれていますが、信者の人たちってこうやって信仰と親交を深めるんだなあとなんだか感心(?)してしまいました。
怪しげな宗教の信者と分かってなお親しくしてくれる人ってすごいと思います。私なら距離を置いてしまう。何か売りつけられようものなら即縁を切りたい。笑
信者とそうでない人って、信じているものが違うだけでこんなにも分かり合えないし、距離が生まれる。そして、信者は信者同士で親しくなる。
新興宗教は閉塞的なひとつの社会が成り立っている感じが怖いな、とどうしても思いますね。
カルト信者は、強引な勧誘や強引な商品の押し売りがどうしても嫌悪感を抱かせますが、私はそれよりも、信者たちだけで成り立つ一つの社会があることが怖いです。
まるで知らない「世界」が宗教の数だけ無限にあるみたいで。

2022年10月現在、「星の子」はアマプラで視聴可能

私はアマプラで視聴しました。視聴のタイミングによってはアマプラ見放題になっているかわかりませんが、とにかく現状は視聴可能です。
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